所属しているオーケストラの第九演奏会、無事に終了いたしました。
ベートーヴェンの交響曲第九番「合唱付き」
このクラシック随一の難曲に向き合ってきたこの半年間。
正直、ここ数年のオーケストラ活動の中で、一番きつかった半年間でした。
やはり、第九は本当に難しい曲。
偉大なる作曲家・ベートーヴェンが残した本当に大きくて難しい名曲。
どの楽章も本当にきつくてつらかったんですが、その中で、最も私が苦しんだのは、2楽章でした。
今回、数年ぶりに2ndヴァイオリンのトップをつとめさせていただいたのですが、その2ndヴァイオリンから始まる2楽章の冒頭。
技術的にどうこうというより、曲の最初のかじ取りをする的なプレッシャーに苦しめられました。
11月の合奏の際に、ここの2ndヴァイオリンをもう少し決めたい、とマエストロからも言われた。
その次の日から、私は覚悟を決めて、2楽章をさらい続けました。
もちろん、ずっと2楽章しか練習しなかったわけじゃないですよ。
ほかの楽章もやりましたが、とにかく2楽章は、練習できるとき、数分でもやろうと思ってやり続けました。
その結果の本番は…まあまあなんとかこなした。という感じでした。
すごく素晴らしくはできませんでした。でも、このやり続けたことは、自分の身になったと思います。
そして、プレッシャーは2楽章だけじゃありませんでした。
この半年間の第九の練習中、本当にいろいろなことがあって、これまでにないほど、深く悩んだし、心も折れかけました。
ただ、それでも、この第九演奏会までは「やり抜こう」と、その気持ちだけはなんとか持ち続けていました。
この半年、オーケストラでは、自分の無力さに悩んでほんとにつらくて。
でも、だからこそ、せめてやり抜くことだけはしようって、その志というか意地で、折れそうな心をなんとかもたせてきた半年間でした。
なので、今、とりあえずやり抜くことができたことにほっとしています。
ものすごく素晴らしくできたとはいえないけど、途中で逃げないでゴールまで来れただけで、本当に良かった。
うちとこのオケ、私が入団したばかりのころはまだメンバーも全然少なく、そのころは第九をやるというのはそれこそ夢のまた夢だったと思います。
だから、今年、このオケで第九をやれたということが、本当に価値のあることだったと思う。
すごく難しい曲で、団員はみんな苦しんだと思います。
でも、その成果はすごく出た本番だったと思う。
私自身、最上の演奏ではなかったかもしれないけど、でも、舞台でものすごく集中して演奏できました。練習を重ねてきたことがやはり力になったと実感しました。
本番の舞台、4楽章、低弦から始まるあのテーマにはやはり感激した。
他の誰かじゃない、私たちの第九がやっと実現したんだって、それはやはりとてもうれしくて。
低弦~ヴィオラが奏でる、あの第九の旋律は翼をはばたかせ、勇気をくれる音楽。
第九の翼、第九の勇気を自分たちが奏でることができた。それだけでもすごい財産です。
私、所属しているオーケストラのみんなが大好きなんです。
人見知りで気難しくて人づきあいが苦手な私が、ここでは本当に一緒に演奏できることがうれしい仲間に出会えた。
前の方で、志と意地でもたせた半年と書きましたが、この第九のゴールまで行けたのは、自分だけの力ではなかったとももちろん思う。
一緒に頑張っていて、助けてくれた人たちがいたから、やってこれたんです。
演奏会の打ち上げを終えて、みんなと別れてひとりになったとき、なんかとてもさびしかった。もっとみんなと一緒にいたかったなあって本当に思いました。
だから、第九演奏会無事に終えたこと、一番感謝したいのは、一緒に演奏してきたみんなです。
団員の皆さん、みんなと第九の翼を広げることができた。
それが、なによりもうれしいです。
ありがとう。