ごきげんよう、ライターの愛(@ai_writer)です。
あいもかわらずシューベルト好きです。
彼の真髄は歌曲といわれています。
自身が弦楽器プレイヤーなこともあり、クラシカルでも歌曲の分野はちょっと遠い存在だった。
楽器と違って人の声は、自分に合わないと本当にカンに触るときがあるので、ちょっと慎重にもなっていて。
なのですが、ちゃんと聞いてみないといかんよなあと思って、シューベルトの連作歌曲集「冬の旅」を聞き始めたのですが…ものの見事にはまってしまいました。
*
ヴィルヘルム・ミュラーの詩集による歌曲集「冬の旅」。
失恋した若者のさすらいの旅を続けるという内容だそうですが、これを知ったときに、まさにシューベルトらしいテーマだと思った。
内省的な悲しみを音にすること。この人ほどそれに長けている作曲家はいない。
悲しみを音楽で物語る作曲家は数知れずだけれど、シューベルトが他と違うのは、彼は悲しみをぶちまけて散らかさないこと。
悲しくてたまらなくて、絶望のままにわめいたりめそめそしたりして、それはそれで名曲を作る作曲家もいる。
けれど、シューベルトは違う。
悲しくてやりきれなくとも、それをぶちまけて散らかしっぱなしにするような子供じみた真似はしない。
「冬の旅」の中でも、若者が嘆き悲しむ歌がある。しかし、シューベルトの嘆きはヒステリックに悲しみを押しつけるものではない。
嘆き悲しみながらも、ちらかさない深い理性と静けさが、彼の音楽の中にはいつも存在している。
失恋した運命を、己の孤独を悲しむ若者の旅。それは考えようによってはとても悲劇的なことかもしれない。
けれど、「冬の旅」に耳をすまして聞こえてくるのは、悲劇などではない。
冬の旅の美しさであり、はかなさだ。
厳しい冬、歩み続けた若者の旅は、悲しい旅だったのかもしれない。けれど、美しい旅であったにも違いないと思うのだ。
寒い夜、フィッシャー・ディスカウが歌う「冬の旅」。悲しくも儚く美しくゆらめくシューベルトの旋律がとても心地よい。
ユニバーサル ミュージック クラシック (2008-01-23)
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