ごきげんよう、ライターの愛(@ai_writer)です。
映画『ラモーナのおきて』を見たので、あらすじと感想をご紹介します。
『ラモーナのおきて』あらすじ
小学生の女の子・ラモーナ・クインビーはお父さんとお母さんにしっかり者の姉・ビーザスとネコのピッキー・ピッキーと暮らしている。
ある日、パパが失業してしまうという大事件がクインビー家に訪れる。このままでは家を売って引っ越しをしなくてはならないと知って動揺したのは、幼なじみのヘンリーに片思いしているビーザス、そして、家と家族が大好きなラモーナ。
大好きなパパのために仕事を見つけよう、お金を稼ごうとする大奮闘するラモーナだったが、頑張るほどに失敗を繰り返して、両親や姉のビーザスからも怒られる始末。クインビー家は果たしてどうなってしまうのか……?
べバリィ・クリアリーの名作児童小説を映画化
『ラモーナのおきて』の原作は、アメリカの児童文学小説家・ベバリィ・クリアリー作の小説。
クリアリーが連作で書いていた「ゆかいなヘンリーくん」シリーズの中で、ヘンリーの友人・ビーザスの妹のラモーナを主人公にした何作かからのエピソードを組み合わせて映像化しています。
この「ゆかいなヘンリーくん」シリーズ、私、子供のころから大好きで、今でもときどき読み返します。
もともとの主人公は男の子のヘンリーくんですが、その後何冊目かでヘンリーくんのガールフレンドとしてビーザスとその妹のラモーナが登場したんですが、このラモーナが登場したときから手のつけられないいたずらっ子。
お姉さんのビーザスはもとより、ヘンリーくんや周りの大人たちを驚かせたり困らせまくり。
その後、ビーザスを主人公にして、妹のラモーナとの関係を主軸にした物語が登場しました。
このお話は特に好きでしたね。私自身、姉のほうなのでビーザスに共感を寄せやすかった。どうしても兄弟を好きになれないときがあるビーザスの気持ちがよくわかりました。実際、この本でのラモーナは、ビーザスが借りた本に勝手に名前を書いたり、ビーザスのバースデーケーキをめちゃくちゃにしたりと、かなりファンキーにやらかしています。
しかし、そんなやんちゃっぷりがどこか憎めなくてときおりかわいいと思ってしまう存在でもあったラモーナ。その後、ついにヘンリーやビーザスをのけてシリーズの主役に躍り出て、ラモーナを主人公に何冊かの物語が描かれて、「ラモーナ、明日へ」がシリーズの最終の作品になっています。
お転婆なラモーナの活躍と失敗が愛くるしい
この映画のラモーナは原作同様、お転婆でいたずら好きな女の子。
好奇心が強くて、気になることには手を出してしまうし、やりたいと思ったことはやってみないと気が済まない行動力にあふれた勇敢なラモーナ。
ただ、元気すぎるゆえにやりすぎてしまうことが少なくない。
よかれと思ってしたことが、大騒動になってしまうため、両親やお姉さんのビーザス、担任の先生からも怒られてばかりです。
スクリーンから傍観者として見ている分には、ラモーナのいたずらや失敗は面白いし、愛くるしい。本人はいたって真剣で、家族が大好きで家族のためになろうとしているのに、それがどうにも裏目に出てしまって、不憫でならなかった。そして、失敗して怒られてしょぼんとしている姿もまたかわいらしくて仕方がないラモーナです。
ジョン・コーベット演じるラモーナのお父さんが素敵すぎる
この映画は、ラモーナが失業してしまった大好きなお父さんのために頑張る物語でもあるんですが、このラモーナのお父さんがとにかく素敵。
仕事をクビになっても気丈に笑顔を絶やさず、ラモーナに固ゆで卵のむきかたを茶目っ気たっぷりに教えてくれる、娘たちへの愛情にあふれたお父さんです。(この卵の向き方が後にラモーナにとある不幸を招きもするんですが…)
それだけに、ラモーナがお父さんが大好きなのもよくわかるし、実際、ラモーナはお父さんのためにいろいろと頑張るんだけど、失敗続きで、最後のほうではお父さんがラモーナの失敗に本当に怒ってしまう場面もある。
やったことを見たら、そりゃ怒るよなって話なんだけれど、ラモーナがかわいそうでした。お父さんも家族も大好きで、お父さんのためになりたくて仕方なかったのにね。
このお父さん、ソフトなダンディーな方でどこかで見た人だと思ったら、「SEX&THE CITY」のエイダンを演じていたジョン・コ―ベットだった。
エイダン、キャリーと別れてこんなにいいお父さんになっていたのねとうれしくなってしまいました。
原作ファンにうれしい、ビーザスとヘンリーの関係
原作のシリーズのエピソードがあれこれ散りばめられている本作。
それだけに、ラモーナがあれこれやらかす事件簿がただただ連なるような感じで、起承転結がはっきりせず冗長になってしまっている部分もあります。
とはいえ、愛くるしいお転婆娘のラモーナからは目が離せないし、優しいお父さんをはじめとするクインビー家のドラマは心が温まる。
特に「ゆかいなヘンリーくん」シリーズを読んでいた人は、いろいろと楽しみが倍増すると思います。
何よりうれしいのは、原作のそもそもの主人公だったヘンリー・ハギンズもちゃんと登場していて、幼いころからのガールフレンドだったビーザスとの関係がしっかり描かれていること。
ま、ヘンリーの見た目は、原作とだいぶ違うんですけれどね。
あと、最後になってしまいましたが、ビーザスを演じているのは、あのセレーナ・ゴメス。本作では、ちょいとラモーナに愛くるしさで一歩譲っていますが、それでもとってもキュートでしたよ。
あわせてよみたい関連記事はこちら

===============================
~最近のライティングのお仕事~
「逃げて逃げて行き着いた場所に今あるなという感じ」津田寛治が語る主演作『名前』への思い | シネマズ by 松竹
津田寛治さんに自分を偽り刹那的に生きる男を演じた作品の裏側、演じることや映画作りへの思いなどを語っていただきました。
32年続く『Mステ』 新たな試みは”バブリーダンス”登美丘高校がきっかけ
【インタビュー】32年続く『Mステ』 あのバブリーダンス高校を見つけたテレビ朝日・増田哲英ディレクター「30歳までAD。負け組だった」
「音楽の素晴らしさはどんな人の魂にも届く」『オーケストラ・クラス』ラシド・ハミ監督インタビュー | シネマズ PLUS
今回は、本作のメガホンをとったラシド・ハミ監督にお話を伺いました。
性器を撮影する関係に「”愛”ではあったと思う。でも”恋愛”とは違う」『スティルライフオブメモリーズ』安藤政信インタビュー | シネマズ by 松竹
2年間性器を撮り続けた、写真家アンリ・マッケローニからインスパイアされた本作。主演を務める安藤政信さんにインタビュー。
【衝撃】『銀魂』”お妙さんのダークマター”はどれだけヤバい!? 「ジャンプ展」コラボメニュー実食してみた – Character JAPAN
創刊50週年を迎える「週刊少年ジャンプ」の軌跡をたどった原画展「創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展VOL.3 -2000年代~、進化する最強雑誌の現在(いま)-」。 同展覧会の会場となっている、森アーツセンター(六本木ヒルズ)では、展示会場に併設されたカフェで「JUMP 50th anniversary cafe」と称して「ジャンプ」の人気作品とのコラボメニューの数々が楽しむことができます。
「リアリティの追求よりも絆に重みを」ジョン・ウー監督が語る映画『マンハント』への思い | シネマズ by 松竹
『男たちの挽歌』『レッドクリフ』など、数々の名作を世に放ってきた巨匠が『マンハント』に込めた思いを伺いました。
================================
ライティングのお仕事承ります。