オズの国の映画決定版の一つ「Return to OZ」

  • URLをコピーしました!

ごきげんよう、ライターの愛(@ai_writer)です。

突然ですが、私は、ライマン・フランク・ボーム原作のスラップスティックファンタジー「オズの魔法使い」が大好きです。

先月、BSチャンネル「D-life」で放映された「Return to OZ」、オズの国の物語を実写化した中でも特に好きな作品でして、
録画して、何度も見返しています。

Return to Oz [DVD] [Import]
Return to Oz [DVD] [Import]

ということで、少し時間たっちゃいましたが、
この映画についてべらべらしゃべりたいと思います。

※このあと、ネタバレしていますので、注意。

あらすじ

オズの国から戻ってきたドロシーは、眠れない夜をすごすようになってしまった。

心配したヘンリーおじさんとエムおばさんは、ドロシーを最新の電気治療ができるという
病院に入院させる。

病院の院長は、電気治療の機械で、ドロシーの記憶を消そうとする。しかし、電気治療を受ける寸前で、ドロシーは不思議な少女に助けられて、病院を逃げ出し、川に飛び込む。
そして、ドロシーが流れ着いた先は、あのオズの国。

お友達のかかしたちに会いに行こうと、ニワトリのビリーナとともに、エメラルド・シティに向かうドロシー。しかし、以前訪れたときと様子がだいぶ違うことに気がつく。
黄色いレンガの道は無残に崩れていて、マンチキンたちもいない。

そして、エメラルド・シティにやってきたドロシーが見たのは、荒れ果てた街と石に変えられたオズの人々の姿。これは、地底の支配者・ノーム王の仕業だった。

ノーム王の家来、モンビ王女にとらえられたドロシー。しかし、オズの軍隊ロボット・ティクトックやかぼちゃ頭のジャック・パンプキンヘッドの力を借りて、空を飛ぶソファ・ガンプ号で逃げ出し、かかしを助けるべく、ノーム王の山へ向かうのだった……

感想

ええ、この作品の一番の成功要因は、これだと思います。

*ドロシーがとても自然に描かれている

そもそも、ボームが書いた「オズ」という物語が人気をあつめたのは、ドロシー・ゲイルという等身大の魅力的なヒロインが誕生したからだと思います。

オズの原作は、作品ごとに主役が異なっていて、シリーズの中には、ドロシー以外にもオズへ迷い込んでしまう少女が、何人かいるのですが、残念ながら、ドロシーよりも魅力的な女の子は存在しません。
ドロシーに次ぐヒロインであるオズの支配者・オズマ姫もいるのですが、オズマは妖精的な雰囲気がどうにもあり、ドロシーのような共感を呼んでいる側にちょっと与えにくい。

「オズ」のドロシーを演じた女優といえば、ジュディ・ガーランドが一番有名ですが、
私、失礼ながら、ジュディ・ガーランド演じるドロシーは、見た時から
だいぶ、おばさん、もとい、年上のドロシーだなと、ちょい演じる無理みたいなのを感じておりました。

しかし、「Return…」のファルーザ・パーク演じるドロシーは、すんなりと
「ドロシー」として、受け入れられました。
実際、原作のドロシーに非常に近いキャラクターだと思います。
素朴な外見。まっすぐで純真な性格で、お友達を決して裏切らない。でも決して完璧じゃない、どこにでもいる女の子。
オズの物語が好きな人たちがよく知っているあのドロシーが、この映画には存在しています。

*魅力的なオズの住人たち

ドロシーと並ぶ「オズ」の物語の魅力は、素敵なオズの住人たち。
かかし、ブリキの木こり、臆病ライオンに代わって、この映画でドロシーのお友達になるのは、ぜんまい仕掛けのロボット・ティクトック。かぼちゃ頭のジャック・パンプキンヘッド、空飛ぶソファーのガンプ号。(+ドロシーと一緒にカンザスからやってくるニワトリのビリーナ)。
彼ら、映画を見ていて大好きになりました。

かぼちゃ頭のジャックや、ガンプ号はまさに原作そのもの。
見た目も性格も原作から出てきたような感じ。おバカさんで臆病で少し甘えん坊なジャック。
ガンプも、よくわからない姿に変えられた自分に戸惑い、少し皮肉屋なところが、まさに原作どおり。

そして、ぜんまい仕掛けのロボット・ティクトックは最高。
考えることも動くことも話すこともできる。しかし、生命のないオズの軍隊。
ジャックやガンプと違って、このティクトックだけは原作と少し違っている。
しかし、原作を超えた魅力が追加されています。

それは何かというと、ティクトックのドロシーへの優しい愛情。

ティクトックの役目はドロシーを守ること。彼女におそいかかる悪者たちに、立ち向かっていき、ここぞというところで、機転を利かせてドロシーの力になろうとします。
彼のドロシーを見る目は、とても優しい。
そして、ドロシーと別れてしまう危機がせまったときの彼は本当に悲しそう。
生命がないロボットだけれど、それでもドロシーとティクトックは心が通じ合っていて、佳境の二人のシーンには、ほろりとしました。
彼は、原作小説では「チクタク」となっています。映画は、英語の発音に近いということでティクトックという吹き替えになったんでしょうね。

この映画のドロシーのお友達の中で、私は彼が一番好きで、この映画のティクトックを知ったからこそ、私は原作のチクタクもより大好きになりました!

*きめの細かいスリル&ファンタジー

この映画がつくられたころは、今みたいなコンピューター技術なんて、なかったはず。
そんな中で、よくここまできめ細かく作ったよなあと思います。
ドロシーがやってきたオズの国。これは、間違いなくファンがよく知っているオズの国。そして、ドロシーがガンプ号で空を飛ぶシーンや、ドロシーの敵となる地底の住人たちやら、驚愕とかではないですが、すごくきちんとファンタジーとしての映像を作っています。

映画の中盤で、ドロシーがモンビ王女から逃げ出すシーンがあるのですが、
これが非常におっかない。
モンビは美しい女性の首をコレクションしていて、自分の首をあれこれとりかえているおっそろしい魔女なのですが、モンビのコレクションの首たちが、「ドーローシーーー」とわめきたてて、首なしのモンビ王女がドロシーに近づいてくるとこは、ほんと怖かった。
よっぽどおっかなかったのか、私、映画を見た後、結構な回数このシーンの夢を見てうなされました。

*感想まとめ

 この映画は原作の「オズの虹の国」と「オズのオズマ姫」の要素を組み合わせて作られたオリジナルのオズの物語。
しかしですね。
この作品を見て「原作と違う」という文句を言う人は、あまりいないと思う!

原作の話をあれこれ変えているけれど、その一方、ドロシーのキャスティングを始め、原作ファンが怒るような安易な脚色の変更はされていない。
むしろ、原作のあれをこういう風に映像化したんだとワクワクするばかりでした。

たぶん、この映画はきちんと「オズ」を愛している人が作ったんだと思う
オズの物語のファンたちをがっかりさせることのない、素敵なオズの国の物語がここにあります。
この映画を見たら、きっとオズの国に行きたくなります。
今回、テレビ放送してくれて、ほんとよかった。
録画してこの名作が何度も見返せるなんて、
ああ、なんて素敵。

*最後に…主題歌は日本版が素敵。

この前、見に行った「オズ、はじまりの戦い」は最後にマライア・キャリーの歌が流れました。
マライアのファンには申し訳ないですが、映画のことを理解して作ったんだろうか?と
疑いたくなる曲でしたね。
それに比べてだ。
この「Return to OZ」は、テーマソングも素敵だったのですよ。
ただね。ウン年目の真実で最近知ったのですが、
私が素敵と思っていたテーマソング。日本だけのものだったみたいです。

しかし、事実を知って、そりゃ素敵なわけだと納得しました。

タケカワユキヒデさんの曲だったのさ。
「999」の映画主題歌をはじめとする多くの神曲の作者・タケカワさんは、
「オズ」の物語にぴったりのテーマソングを歌ってくれていたのです。

タイトルは、
「Keep on dreaming」

これは、世界中のオズの国を愛する人たちの合言葉。

そう、夢はいくつになっても、失いたくないね

あわせて読みたい

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

映画、音楽、文房具をこよなく愛するフリーライター。趣味はヴァイオリン。
執筆、取材等のご依頼はお問い合わせからか、startofall@gmail.comまでご連絡ください。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 私小さいころからこのオズを何回も観てきました!
    DVDがどうしても欲しくて検索していたら、たまたま
    こちら目にとまりコメントしてしまいました^_^
    チクタクやカボチャ(名前忘れました)が何とも可愛くて!
    知っている方がいて何だか嬉しいです!

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください