大河ドラマ『青天を衝け』第9回のあらすじと個人的な感想です。
第9回「栄一と桜田門外の変」あらすじ
めでたく夫婦になった栄一と千代だったが、二人が祝言をあげた翌日、長七郎が帰ってくる。
江戸でいろいろなものを見聞きした長七郎は尊王攘夷派になっていた。彼の話を聞いて、江戸へ行きたい思いをつのらせていく栄一。
一方幕府では、井伊直弼が強権をふるい、橋本左内は斬首、慶喜や斉昭は蟄居を命じられる。だが、井伊直弼は桜田門外の変で暗殺され、その後まもなく、斉昭もこの世を去って——。
第9回「栄一と桜田門外の変」感想 いいかげん覚悟を決めろよ、慶喜…
今回は、あの桜田門外の変のお話。
ここに関与してるはずのない栄一とどう絡めるのかなと思っていたら、そこを繋ぐのは長七郎で、なるほどねと納得。ただ、すっかり攘夷派になってしまっている長七郎がなんだか危うい。「龍馬伝」のときの岡田以蔵のような感じ。このままいくと、何か取り返しのつかないことをしてしまうように見えます。
長七郎の話を聞いて、江戸へ行きたくしょうがない栄一。世の中で起きてることをこの世で見て、自分も何かしたいと思う栄一。そんな彼にお父さんは、自分たちは商人なんだから、江戸の幕府のことなど関係ない…という感じでさとします。
このお父さんのいうことは、もっともだとは思います。武士でもなんでもない栄一が江戸がどうのこうのいっても江戸が動くことなんてないのだから、自分の目の前にある仕事に専念しろって、ごもっとも。
ただね。
この時代って、日本全国に栄一のような若者が本当にたくさんいたと思うんですよ。
黒船がやってきた。中国はアヘン戦争で大変なことになってる。日本も異国に攻め落とされてしまうかもしれない。だから、国を守らないと、国のために何かしたい…という、そんな若者がたくさんいて、幕末の志士になった。だからこそ、あの時代、日本は大きく動いたんだと思います。
栄一もそんな一人だったに違いなくて、実際、彼は開国した後にどんどんこの国を変えていった1人だからね。実際の渋沢栄一もおそらく、若いころから何かしたいと思っていたに違いないと思います。
そして、そんな栄一や世の中の若者たちとは逆に、やろうと思えば国を動かせる立場にいるのにそれをしないでいるのが慶喜。
いいかげん慶喜にちょっとイライラしてきています。お父さんがなにせ激しいから、息子が反動で冷めるのはわかるんだけど、慶喜が将軍になる気がなく覚悟を決めないせいで、安政の大獄が訪れて、そして斉昭もこの世を去ってしまった。
謹慎し続けて髭ぼうぼうになってしまっていた慶喜だけれど、そろそろ覚悟を決めてくれるんだろうか。
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