サンドウィッチマンはやはり“神”だったー営業ライブの思い出その2

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ごきげんよう、ライターの愛(@ai_writer)です。

1個前の記事で書いた、10年前に行ったお笑いライブでの出来事、二つ目の話。

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このライブに出ていたもう1組のとある芸人さんたち(名前はあえて伏せておきます)、そして、ライブのトリをつとめたサンドウィッチマンの話です。

お客さんたちの悪ノリで「笑われて」しまった芸人さん

そのとある芸人さんたちは、どちらかというと凝ったコントで人気のある人たち。

この舞台では大掛かりなコントではなく、軽いショートコントをいくつか披露してくれました。

なんだけどね。

彼らのコントのうちの1本が変な感じでお客さんたちのツボにはまってしまったしい。
おかげで、お客さんたちが悪ノリ笑いを始めてしまったのです。

以降、その芸人さんたちが何しても、変なくすくす笑いが起こる。
もはや芸人さんたちが芸で「笑わせている」のではなく、ただただ「笑われている」状態でした。

明らかにお客さんが彼らをバカにしている。そういう笑いがエスカレートしていく。そして、芸人さんたちも結局その悪ノリにのっかってしまったのです。

彼らはあきらめた感じで、お客さんたちのツボにはまったコントを何度も繰り返していました。

しかし、会場にいた私は、お客さんたちの笑いが大きくなるとともにどんどん笑えなくなりました。

なぜなら、その芸人さんたちに対するリスペクトがあったから。

彼らの作るコントにも芸風もすごいなと思って敬意を払う気持ちがあったので、こんな風に笑いものにするのは違う…とどうにも思ってしまったのです。

とはいえ、笑われて変な空気になったのは、その芸人さんたちにも非があったと思います。

彼らは、お客さんの悪ノリに反応しすぎていました。

お客さんの反応がどうであろうと、そんなことに動じないで、本来の自分たちの芸に徹してやりきるべきだったんじゃないだろうか。そうすれば、お客さんたちもそれに圧倒されていずれ静まったんじゃないかとも当時は感じました。

サンドウィッチマンは会場の空気を見事に戻した

上記の芸人さん、気の毒だけどちょっとふがいなくもありました。

なぜふがいないと感じたかといえば、その芸人さんの後に出てきた、このライブのトリをつとめたサンドウィッチマンが全然違ったからです。

前のネタの悪ノリの変な興奮が残っているお客さんたち。けれど、伊達さんも富澤さんもそれに対してまったく動じなかった。観客と自分たちの間にしっかり線を引いている感じでまったく惑わされませんでした。

そして、サンドウィッチマンも続けて笑いものにしちゃってよくない?みたいな空気が残っていたところに、伊達さんがやんわりでありつつもぴしゃりといなすような皮肉を放ったのです。

おかげで、悪ノリしていたお客さんたちがちょっと罰が悪くなったんでしょうね。以降当時会場の空気がしゃんとして落ち着いていったのをよく覚えています。

お客さんの雰囲気にのまれずきっちりその場を仕切り直したサンドウィッチマン。そのまま、テレビで見るのと変わらない漫才を披露してくれました。

もう、めちゃくちゃかっこよかった。さすがM-1チャンピオンだと思いましたね。彼らのスケールの大きさに感動してますます好きになりました。

お笑いライブは芸人さんへのリスペクトとともに楽しみたい

「笑わせる」と「笑われる」は、似ているようで、違う。
なかには、「笑われる」ことを芸にしている芸人さんもいます。
それは、それで素晴らしい芸です。

でも、10年前のライブで笑いものになっていた芸人さんたちは、私が知るかぎり「笑われる」タイプではなかった。

お客さんの反応がどうであろうと、そんなことに動じないで、本来の自分たちの「笑わせる」芸に自信をもってやりきるべきだったんじゃないだろうかと思います。

ただ、その一方であのときのお客さんたちもやっぱりちょっと違ったとは感じています。

面白さに徹して、ときに徹底的におバカになって楽しませてくれる芸人さんに対しては、バカにして笑いながらも心底バカにするんじゃなく、どこかでリスペクトをもってネタを見て笑いたい。少なくとも私はそう思います。

なお、あのライブを見たときから、サンドウィッチマンに対するリスペクトは一段と強くなりました。

あの風格と落ち着き、そして面白さ。彼らこそ本当にかっこいい大人の“神”芸人だと思います。

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この記事を書いた人

映画、音楽、文房具をこよなく愛するフリーライター。趣味はヴァイオリン。
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