「自分は絶対悪くない」って思ってるのが、実は一番苦しい

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大昔の話、人と仲たがいをしかけたときの話。

最初のうちは、相手に対しての怒りが収まらなくて、「私は悪くない」「絶対にあやまらない」「向こうがあやまるまで許さない」みたいに思っていた。

でも、そんな私の心にずしりと来ることをいう人がいた。

「自分は絶対悪くないって思い続けてるのが、一番苦しいよ」

これ、言われたとき一瞬「は?」とはなったけど、そのあと、すぐ目からうろこだった。そうだってわかった。

そう、「自分は悪くない。相手が悪い」って思い続けるのは苦しいのだ。

なぜなら、そう思っている間は、ずっとその相手のことを憎んでいなくちゃいけない。なおかつ、自分は相手にひどいことされた被害者のポジションにずっといなくちゃいけない。つまりは、ずっと相手への憎しみと傷つけられたくやしさ、悲しみにつきまとわれることになる。

だから、時と場合にもよるけど、もしできるなら、自分が悪くなかったとしても、相手と和解したほうがいい。

実際、そのとき、私は自分のほうから謝って和解を申し出た。

それが正解だったと思ってる。おかげで、そのあと、その相手との関係が修復できて、楽しい幸せな時間を一緒にいっぱい過ごせたから。「自分が悪くない」って自分だけで思い続けていたら、私は孤独になってしまうだけだった。

このことは、今でも私にとって人生の大切な教訓。自分が悪くないって思ってても、そこに固執しない。ときには自分が悪くなくたって謝る。

長い人生送ってると、どうしても「許せない」相手も出てくるもの。それもまた仕方ない。でも、憎しみばかりで傷ついてばかりの人生にしないためにも、「自分が悪くない」と自分のことばかりにならず、むしろ「自分にもいたらないところがある」くらいに謙虚でいたほうがいい。これ、大切なことだと思う。

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この記事を書いた人

映画、音楽、文房具をこよなく愛するフリーライター。趣味はヴァイオリン。
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