ごきげんよう、ライターの愛(@ai_writer)です。
オーケストラで目下シューベルトの交響曲第4番「悲劇的」をやっています。
シューベルトは歌曲王であり、交響曲は一番の本道ではなかったようなので、オーケストラでヴァイオリンを弾いている私には、必ずしもなじみの深い作曲家でありません。
だけど、彼の曲を弾くと、本当に必ず「シューベルトがたまらなく好き」だと思います。
彼の音楽に宿る繊細なひそやかさが本当に好き。
とても小さくて内省的で、でも、繊細で美しいもの。
見せびらかすでもなく、媚びるわけでなく、押しつけるわけでない。
シューベルトは理性的に曲を書き連ねているふしがあり、ことさら「見せよう」としていないので、音楽の中で見える輝きは本当に小さいもの。
だけど、それが本当に何物にも代えがたく美しい。
演奏していると、本当に粒のようだけど、美しい光を見る、はっとするような瞬間がいつもあるのです。
くやしいのは、私自身がその美しさをきちんとつかむことができないこと。
以前、「未完成」を演奏したときもそうだった。
すべてを浄化する希望の光のようなあの曲を、ほんのひとつまみに触れたか触れないか。それくらいしかできなかった。
だから、チャンスがあるなら、また演奏したいと願ってやまない交響曲の一つ。
今も、「悲劇的」でも、自分がつかむことができない歯がゆさばかりを噛みしめている。
「悲劇的」はタイトルこそ「悲劇的」だけど、曲を演奏したらよくわかる。
悲劇的になることもあったのだろう。だけど、シューベルトは全然、絶望なんかしていない。
悲劇的な悲しい音楽ではあるけれど、この曲の見ているものは希望だと思う。
「未完成」同様、光がさすような希望の旋律が間違いなく存在している。
だから、今回もやられた。
本当にシューベルトが好きだと心から思った。
私はしょせんしがないアマチュアだし、どこまでつかめるかなんてたかがしれているかもしれない。
でも、それでも何かをつかみたい。だから、まだまだ悪あがきしてやると思う。
ただただ、シューベルトが好きだから。
シューベルトならカール・ベームの指揮がおすすめです。端正に音楽を作り上げる大好きなマエストロ。
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