ごきげんよう、ライターの愛(@ai_writer)です。
ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演の映画「シザーハンズ」を今回はご紹介したいと思います。
・公開時間:1時間45分
・監督:ティム・バートン
・出演:ジョニー・デップ、ウィノナ・ライダー、ダイアン・ウィ―スト他
「シザーハンズ」あらすじ
とある夜、眠れずにいる孫から、どうして雪が降るのかと聞かれた老女は、物語を話し始める。
ある田舎町。化粧品のセールスレディ・ペグは営業がうまくいかず、思い切って街のはずれにあるあやしげなお城を訪ね、そこで人造人間のエドワードと出会う。
完成する直前に発明家が死んでしまったため、両手がハサミのエドワード。孤独な彼をかわいそうに思ったペグは家へつれていき、一緒に住まわせることに。エドワードはペグの娘のキムの写真を見て、彼女に一目ぼれしてしまう。
両手のハサミを駆使して植木を美しい形に仕上げたり、近所の主婦たちの髪をおしゃれにカットしたりして、瞬く間に人気者になっていくエドワード。しかし、キムだけは、エドワードに困惑気味。
キムの恋人のジムは、エドワードがドアの鍵開けができることを知って彼を利用した窃盗をたくらむ。キムに頼まれて、ジムの家に潜入するエドワード。しかし、計画は失敗し、窃盗容疑で捕まってしまう。何一つ弁解しないエドワードが自分を庇っていると察したキムはエドワードに惹かれていく。しかし、街の住民たちは、彼を冷たい目で見るようになっていた。
クリスマスの夜、見事な天使の氷像を作り上げていくエドワード。彼がハサミで削る氷が雪となって舞い散り、その美しさに感激したキムは喜び舞い踊る。しかし、そんなキムの手をエドワードはあやまって手のハサミで傷つけてしまう。それを見たジムはエドワードを追い出し、いつしか、町の住民たちが彼を追い詰めて……
「シザーハンズ」レビュー
ハリウッド髄一のファンタジー映画の作り手・ティム・バートン監督の描く、ロマンチックで美しくそしてほろ苦い、まさに大人のフェアリーテール的な作品・
バートン監督の作品は、どの作品を観てもまずその世界観の美しさに本当に魅せられてしまう。
今回も、オープニングの雪のシーンでもう引き込まれ、美しくちょっとシュールな形の植物が並ぶエドワードのお城の雰囲気に酔いしれてしまった。
お話のメインの舞台となる田舎町も、立ち並ぶ家それぞれの配色が絶妙にからみあって、最高にキュート。優しいきれいな色合いのお家が並ぶカラフルな町を見ているだけで、心が躍りました。
本当に細部までこだわってぬかりなく美しいその映画独特の世界観を作り上げているバートン監督。見ている間ずっとスクリーンの中の世界に魅了されるばかりでした。
物語の主人公のエドワード。真っ白い傷だらけの顔に鋭敏なハサミが並ぶ両手を持つ彼は、一見ちょっと怖い。
しかし、ペグに連れられ町にやってきて、新たなものを見て、新たな人に出会い、受け入れられていく中で、徐々に人間らしい表情を見せていく。
そして、彼はペグの娘のキムに恋をしてしまう。だけど、愛情をどうやって表現していいかわからない。
だから、キムの頼みを聞いて泥棒に加担し、そして、罪を着せられたとき、何も語らずキムを庇う。とても切ない愛情表現。
セリフはとても少ない中で、エドワードの心情を微細な表情だけで表現してみせるジョニー・デップ。彼の演技にはただただ脱帽でした。
彼はいわゆるイケメン俳優的な扱いをされることもありますが、その真髄はやはり“演技派”ですね。
孤独なエドワードが人との触れ合いの中で喜び、戸惑い、失望し、そして愛するということを知っていくさまが非常によく伝わってきました。
イラっとするヒロイン・キム。でもウィノナはかわいい
正直、ヒロインのキムにはちょっとイラっとする部分もありました。
一番どうよと思ってしまったのが、泥棒は悪いことだとわかっているのに、なぜジムのたくらみを拒否しなかったのかということ。
このジムは、映画を観る限り、控えめにいってもクズなので、なんでこんな男のいうこと聞くのかね?と思ってしまいました。
思春期のティーンの女の子にとって、恋人に捨てられるってかなりの悲劇なので、そんなことになりたくなかった気持ちは理解できなくもないが、でも、やっていいことと悪いことの分別くらいはつく年頃でしょう。
彼女がジムの誘いを蹴っていれば、エドワードがひどい目に合うことはなかったかもしれないのに。
キム役のウィノナ・ライダーは、当時、一風変わった女の子を演じることが多い個性派でしたが、この映画で演じたいわゆるチアリーダータイプのかわいい女の子役もはまっていた。
当時は、普通の女の子の役をあえて避けてるんじゃないかって感じもあったウィノナ。それだけに、この映画のキムを見たときに、よくも悪くも個性が先行しないで、初めて、ウィノナってすごくかわいいなって思った。
そう、ウィノナ、このころは本当にかわいかったんだなあ。
ai’sおすすめ度…95点
ファンタジックでロマンチックですが、ハサミの腕を持つエドワードの存在はどこかエッジが利いていて辛口。
ストーリーも甘くとはいかず、登場人物たちがつらくほろ苦い思いをしていく結末となっており、でもだからこその感動があります。
このあたりのさじ加減もほんとバートン監督は見事。美しい世界にエッジの利いたストーリーと演出。そして、味付けをべたべてにせずスパイスを加える名監督です。
そんなティム・バートンとジョニー・デップがタッグを組んだ作品はいくつもあるのですが、その中でも本作品は特におすすめです。