儚くゆらめく冬のシューベルト「冬の旅」【joyful-classic】

ごきげんよう、ライターの愛(@ai_writer)です。

あいもかわらずシューベルト好きです。

彼の真髄は歌曲といわれています。

自身が弦楽器プレイヤーなこともあり、クラシカルでも歌曲の分野はちょっと遠い存在だった。

楽器と違って人の声は、自分に合わないと本当にカンに触るときがあるので、ちょっと慎重にもなっていて。

なのですが、ちゃんと聞いてみないといかんよなあと思って、シューベルトの連作歌曲集「冬の旅」を聞き始めたのですが…ものの見事にはまってしまいました。

スポンサーリンク

ヴィルヘルム・ミュラーの詩集による歌曲集「冬の旅」。

失恋した若者のさすらいの旅を続けるという内容だそうですが、これを知ったときに、まさにシューベルトらしいテーマだと思った。

内省的な悲しみを音にすること。この人ほどそれに長けている作曲家はいない。

悲しみを音楽で物語る作曲家は数知れずだけれど、シューベルトが他と違うのは、彼は悲しみをぶちまけて散らかさないこと。

悲しくてたまらなくて、絶望のままにわめいたりめそめそしたりして、それはそれで名曲を作る作曲家もいる。

けれど、シューベルトは違う。

悲しくてやりきれなくとも、それをぶちまけて散らかしっぱなしにするような子供じみた真似はしない。

「冬の旅」の中でも、若者が嘆き悲しむ歌がある。しかし、シューベルトの嘆きはヒステリックに悲しみを押しつけるものではない。

嘆き悲しみながらも、ちらかさない深い理性と静けさが、彼の音楽の中にはいつも存在している。

失恋した運命を、己の孤独を悲しむ若者の旅。それは考えようによってはとても悲劇的なことかもしれない。

けれど、「冬の旅」に耳をすまして聞こえてくるのは、悲劇などではない。

冬の旅の美しさであり、はかなさだ。

厳しい冬、歩み続けた若者の旅は、悲しい旅だったのかもしれない。けれど、美しい旅であったにも違いないと思うのだ。

寒い夜、フィッシャー・ディスカウが歌う「冬の旅」。悲しくも儚く美しくゆらめくシューベルトの旋律がとても心地よい。

 

シューベルト:歌曲集「冬の旅」
フィッシャー=ディースカウ(ディートリヒ)
ユニバーサル ミュージック クラシック (2008-01-23)
売り上げランキング: 747

===============================

~最近のライティングのお仕事~

【写真満載】”お米の擬人化”に挑む! 舞台「ラブ米」田村升吾×星乃勇太×健人撮り下ろしインタビュー&稽古場レポ – Character JAPAN

日本のソウルフード・お米を擬人化したアニメ「ラブ米(ラブコメ)-WE LOVE RICE-」初の舞台化作品「RICE on STAGE「ラブ米」~Endless rice riot~ 」。 穀立稲穂学園を舞台にひのひかり、ささにしき、ひとめぼれ、あきたこまち、にこまるの「ラブライス」5人に加え、ライバル米「ST☆RICE(スターリッス)」、「GAZEN …

「吉田ジャスティス・リーグ」バト田とスパ田、死霊人形と世にも奇妙なコラボをしてしまう

10月公開の映画「DCスーパーヒーローズ vs 鷹の爪団 」。「秘密結社 鷹の爪団」がハリウッドのスーパーヒーローであるバットマンやスーパーマンら「ジャスティス・リーグ」と共演し、 低予算で有名な鷹の爪団らしからぬ豪華な作品に仕上がっているというにわかには信じ難いうわさ が飛び交っています。 …

映画「アリーキャット」主演・窪塚洋介が語る仲間・家族・未来への胸の内

窪塚洋介さんと降谷建志さん主演で7月15日から公開の映画「 アリーキャット 」。一匹の猫を通して出会った”野良猫”のような気ままでタフな若者たちの生きざまを追ったロードムービーで、市川由衣さん、品川祐さん、火野正平さんらが共演者として名を連ねています。 …

特撮芸人がパワーレンジャーに挑戦! 特撮界の”神”坂本浩一監督のヒーローアクション指導を受けてみた

日本の”スーパー戦隊”をルーツにした映画「 パワーレンジャー 」(7月15日から公開)。アメリカのテレビシリーズ「マイティ・モーフィン ・パワーレンジャー」のリブート作で、不思議なコインに選ばれた5人の高校生が戦士になる特訓を受けてパワーレンジャーとなり、悪の魔女・リタに立ち向かうストーリーです。 …

================================

noteマガジン刊行中!

MIZUTAMA第3号「特集~妖怪たちの世界」 |知的女子の隠れ家マガジン| note

(null)

================================

ライティングのお仕事承ります。

スポンサーリンク

ABOUTこの記事をかいた人

田下愛

フリーライター 得意なのはオタクコンテンツとクラシック音楽。「ねとらぼエンタ」「シネマズby松竹」など、多数のメディアで執筆中。ときおりビジネス系のお仕事もしています。 執筆、取材等のご依頼はお問い合わせからか、startofall@gmail.comまでご連絡ください。