SNSのフォロワー数に打ちのめされる彼女を笑えるか?「いつかティファニーで朝食を」12巻感想

ごきげんよう、ライターの愛(@ai_writer)です。

新刊が出ると必ず買っているマンガ「いつかティファニーで朝食を」最新12巻をやっと読みました。

いつかティファニーで朝食を 12巻 (バンチコミックス)
新潮社 (2017-11-09)
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このあと、お話のネタバレあり ご注意ください。
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ニューヨークで彷徨う彼女たちの憂鬱

いつかティファニーで朝食を

「いつかティファニーで朝食を」は、朝ごはん好きなOLのマリ子と彼女の友人や同僚たちの自分探しの物語。

「自分探し」って使いつくされた言葉ではあると思う。

でも、自分が何者かわからなくて、何者にもなれない自分が悲しくてって、そういう切なさはたぶん、「自分探し」という言葉が出てくる前からずっと存在しているわけで。

今だって、たぶん、どう生きていいかわからないと彷徨う女性たちはたくさんいるんだろうなと思う。

私だってそう。今の仕事は好きだけれど、方向性どうしよう、このままでいいのかって悩みには定期的に襲われている。

「いつかティファニーで朝食を」12巻に話を戻すと、今回、フューチャーされているのはマリ子の親友の一人・のりちゃんとマリ子が気になる会社の後輩・菅谷の彼女のさち。

二人とも日本ではないところ、ニューヨークに自分の場所を求めてやってくる。

職場でも家族からも「必要」とされることに疲れて、自分を頼る誰かのいない場所で自分のために生きようとさちは、ニューヨークで解放されながらも、石のようになっている自分に気が付く。

何も感じない。彼氏との別れすら寂しくない。そんな自分は誰のために生きているの?と。

親からも上司からものしかかられて苦しかったけれど、その重荷がなくなったところで、やはりかなしい彼女の孤独。わからなくもない。

重荷って実は、気が付かないで自分を支える柱になっていたりするときがある。

この重荷がなくなったら、どんなに楽だろうって夢見ていたけど、いざなくなってみたら、そこにあったのは楽しいことじゃなくて空しいこと。

このお話のさちは、まだその空しさを受け入れきれていないんだろう。

自分のために生きるって、つまりは自分一人で生きることでもあるから。その重みを彼女は耐えられるのだろうか。

当初、主人公のマリ子の恋敵のような立ち位置で登場したさちをここまで掘り下げるとは思わなかった。しかも、その掘り下げ方が見事だった。恋敵でシャレオツなセンス系女子でちょっといけすかなかったさちのことを一気に好きになってしまった

さて、そして、ニューヨークにやってきたもう一人の女子・のりちゃん。

日本でどうにも生きづらいと思っていただけに、ニューヨークではいい感じで過ごしている彼女。友達もできてブログも人気に。新たな仕事の誘いも受けた。

けれど、親友仲間のリサが妊娠したという話を聞いて、なんだかもやもやする。

そんな折、気になっていた同じアパートの日本人男性とついに接近して、ときめくのりちゃん。

しかし、恋する気持ちのままに彼の働く焼鳥店に行って知ったのは、彼がインスタで4000人もフォロワーのいるちょっとした有名人だということ。

同じアパートに住んでるから同じくらいのステージの人だと勝手に思ってたら、自分なんか手の届かないところにいる人だった。結局自分はニューヨークに来たって何者でもないんだと落ち込むのりちゃん。

私は、この落ち込むのりちゃんを見たとき、「いやいや、インスタのフォロワーとか関係ないじゃん、そこで落ち込むか?」と突っ込みかけました。

そう、冷静に見たら、彼女が落ち込んでることって、ほんとくだらないことだと思うんですよ。

でも、じゃあ、彼女を笑えるかといったら、それは笑えません。

現代社会にはくだらない格付けがいっぱいあって、でも、結局多くの人がそれに踊らされてる。

だから、SNSでフォロワーを買うとか、「いいね!」がいっぱいほしくて嘘の投稿をするとか、インスタの中だけはキラキラ女子でいようとか、しょうもないネタが日々こぼれてくるわけで。

だから、冷静に見たらくだらないけど、のりちゃんの気持ちは痛いほどわかるのだ。

こののりちゃんのしょうもない憂鬱で終わった12巻。すごく余韻が残った。

 彷徨う女子に幸あれ

いつかティファニーで朝食を

「いつかティファニーで朝食を」、お話的にも佳境に来ていて、もしかして今回がファイナルかなあと思っていたんですが、どうやらもうしばらく続くみたい。

主人公のマリ子をはじめ、このお話の中では今だ自分が見つからないで彷徨っている女子が何人かいるので、できれば彼女たちを救い上げてさわやかに終わってほしいと祈るばかり。

特に今回、さちの幸せを願わずにいられませんでした。彼女にさちあれ。

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田下愛

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