父の介護を助けてくれた方々に感謝

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父との別れについては、もうあまり書かないようにしようと思っていたけれど、

これだけはやはり書いておきたい、ということがあったので、もう一度だけ。

正確にいうと、父というよりは、父の介護を助けてくださった方たちのこと。

父が要介護になったとき、これからどうなるんだろう、そもそも何をどうすればいいのかわからない……という状態だった私と母でしたが、介護の3年間、本当に多くの方に助けていただきました。

誠実に対応してくれたケアマネージャーさん 介護用品の業者さん


介護が始まって不安だらけでしたが、それをまず和らげて安心感をくれたのが、父のケアマネージャーさんでした。

とても誠実で親身になってくれる方でした。たびたびうちに来てくれて、相談にのってくれて希望に対応してくださった。何より、ケアマネージャーさんが手配してくださったデイケアや訪問看護が素晴らしかったおかげで、介護生活を乗り切ることができました。

介護用品を手配してくださった業者さんもしかり。父のベッドから細々なものから、すぐ揃えてくださって本当に助かりました。

介護用の製品は実際に使ってみないと合う、合わないがわからないものが多く、特に最初のうちは導入しては見たものの「ちょっとこれだと……」というものも結構ありました。

業者さんはその都度相談にのってくださってアイテム交換もとても迅速で、とてもありがたかったです。

最後に父に会いに来てくれたデイケアのスタッフの皆さん

父の介護が始まって数ヶ月したとき、やはりデイケアを利用しないと家族がきついということで、
週に何回か通所リハビリセンターに行ってもらうことになりました。

ここで、すごく驚いたのが、父の送迎でお会いするセンターのスタッフさんたちが若くて元気で活き活きと仕事をされていたこと。

若い青年たちが笑顔で優しく父を気遣ってくださってるのが、見ていてとても気持ちが良かったです。

娘から見たうちの父はデイケアのようなところで自分から楽しむような性格ではなく、行くのを渋ることもあるかもしれないなあ……と心配していたのですが、実際に通いだしてから、デイケアに行くのを渋ることはほぼありませんでした。
おそらく、スタッフさんたちが良くしてくださったから。

うちの父はもともと頑張る若者が大好きでした。だから、きっとデイケアでお仕事している若いみなさんと接するのが嬉しかったのだと思います。

父が永眠する数日前、デイケアのスタッフの方々が何人も仕事の合間でかわるがわる父に会いに来てくださいました。
正直、これも驚いたこと。みなさんが最後に会いたいと思ってくださる程に父と仲良くしてくれていたことに、ただただ感激して感謝いっぱいの気持ちになりました。

皆さん、父に優しくしてくださって、本当にありがとうございました。

父に会いに来てくれたときの写真を、母がブログにのせております。

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プロ意識の高さに感激した訪問看護師さんたち

父の介護を続ける中で、訪問看護師さんにも介助をお願いするようなりました。
そして、父の容態が悪くなってから私と母を一番支えてくれたのが、この訪問看護師の皆さんでした。

父の傷の手当や身体の清拭や下のお世話、さらには髭剃りや爪切りなど細かなケアまでやってくれて、枕元で父の頭をシャンプーをしてくれたこともありました。

そんなことまでしていただいて……と恐縮気味だったこちらに対して、介護する家族の負担を減らすのが自分たちの仕事だから、とはっきり言ってくださったのが、訪看ステーションのリーダーの看護師さん。

この訪看のリーダーさんこそが、父の最終的な主治医であったと私は思っています。

父が終末期に入っていく中でホスピスに行くかどうかなど色々と相談に乗ってくれたし、父の容態が悪くなるたびすぐに駆けつけてくれました。そして、父が最期を迎えたときもすぐに来て、旅立ちの支度をしてくれました。

父の介護を通して、訪問看護師さんのプロ意識の高さを目の当たりにできたことは、かけがえのない経験だったと思います。

いつもきびきびと仕事する皆さんの姿を見て、訪問看護師さんとはこれほどすごいプロフェッショナルなんだと驚かされました。

皆さん、父の介護を最後まで助けてくださり、本当にありがとうございました。

訪看さんのことも母が書いております。

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介護タクシーや訪問診療のおかげで、通院の負担が軽減できた

介護3年目に入った頃、父は衰弱が進んで病院の外来へ通うのが難しくなってしまいました。

そこで助けてくださったのが、まず介護タクシーさん。
最初にお願いした運転手さんがとてもいい方だったので、ずっと同じ方にお願いしていました。
父を車にのせたりおろしたりする際、いつも優しく気遣ってくださって本当にありがたかったです。

そして、通院がいよいよ厳しくなりだした頃、訪問看護師さんの紹介で訪問診療をお願いするようになりました。
訪問診療というのは、まだまだあまり普及してないのかなと勝手に思い込んでいたので、これが利用できたのも本当に助かりました。
お医者さんが定期的に自宅まで診察に来てくれて、お薬も調剤薬局さんが配達してくれるようになった。
おかげで、家族の負担がだいぶ楽になりました。

父が自宅で息を引き取ったときも、訪問診療の院長先生がすぐに来て対処をしてくださいました。
ありがとうございます。

この国には介護に従事するプロの方たちがいます

介護は大変な仕事であるのは間違いないし、ニュースであれこれ話題になるような深刻な課題もおそらくあるのだろうなと思います。

でも、自分が介護の当事者になって何よりわかったのは、この国には介護に従事する極めて意識の高い人たちがいる、ということでした。

我が家では父の介護が約3年間続き、最終的にホスピスに行かず自宅で看取りました。それはここに書いたみなさんに助けてもらわなければ、決してやり遂げられなかったことです。

介護をしてよかった、とはあまり言いたくありません。でも、父の介護をしなければ知ることがなかった大切なことがたくさんあり、介護をしたからこその貴重な出会いがありました。

今、介護が終わってホッとしつつも、介護でお世話になった方たちに会うことがなくなったのが少し寂しくもあります。

当事者になったからこそ、断言できます。
この国には、介護の現場で働く素晴らしいプロの方たちがいます

皆さん、父を守ってくださって、そして、母と私を助けてくださって本当にありがとうございました。

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この記事を書いた人

映画、音楽、文房具をこよなく愛するフリーライター。趣味はヴァイオリン。
執筆、取材等のご依頼はお問い合わせからか、startofall@gmail.comまでご連絡ください。