ライターとして仕事をしている以上、書くときはタイトルから表現まで、常に「わかりやすさ」を意識している。
どうしたら読みやすくなるだろう、読む人にわかりやすいだろう……と、読み手がいることを常に頭に入れて書いている。仕事のときは特に。
ただ、わかりやすさは大事だけれど、わかりやすさだけを優先するのは違うときもある。
なぜなら、人の言葉というのは、わかりづらい中で美しく輝くときがあるからだ。
ちょっと表現がもたついたり回りくどかったりするけれど、それでも、この表現で書きたい、そこは絶対譲れない……というときが、間違いなくある。
わかりやすい簡潔な言葉にすることはいくらでもできる。でも、そうしてしまったら逆に伝わらなくなってしまう場合もあるのだ。言葉の不器用さも含めて、その言葉にのせた「思い」が伝わることが大切だと思う。
言葉は人の魂が宿るもの。だから、決して安易に扱ってはならない。
人の思いが感じられる文章に仕上げていくことを何より大事にする。
ライターを始めたときから、上記のようなことを自身のルールとして、心に刻んできた。
人間の中から出てくる不器用だけど尊い言葉。自分の仕事の中でそれを私は守り続けていきたい。
