「オワコン」って、軽々しく言っていいことなのか?

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「オワコン」て軽々しく口に出していいものなのだろうか。

世の中には、確かに「オワコン」になってるものは、あるんだろう。悲しいけど。

けれど、まだ決してオワコンじゃないものを、勝手に誰かが「オワコン」と決めつけてるケースも少なくはないはず。

だからこそ、ちょっと想像力をめぐらせるべきじゃないだろうか。
一見オワコンなもの、オワコンに近づいているものがあるとしたら、その周りには、それをオワコンにさせるものかと懸命に足掻いている人たちがいるかもしれない。
そういう人たちのことを思いやったら、「オワコン」て簡単に言っちゃいけないんじゃないだろうか。

忘れもしない、東日本大震災の時。地震と津波と原発事故で、この先どうなるんだろうとビクビクしていた。
そんなときにうっかりネットを見てしまったら、SNSで悲観的な予測や「日本オワタ」みたいな言葉をいくつも目にして、正直とても嫌な気持ちになった。

他にも、以前、誰が書いたとはいわないけれど、「もう日本は終わった」みたいなタイトルの記事が商業媒体に書かれているのを見て、嫌なタイトルだなあと思った。このままじゃ終わる、と警告するならまだしも、もう終わりって書き方はどうなのか。

なんで、こんなこと書いているかっていうと、最近、自分の商売の周りで「オワコン」をよく目にするから。
「AIの台頭でライターはオワコン」みたいな言葉が、やたら飛び込んでくる。

確かに、AIの進化がめざましすぎるので、ライターの端くれたる私も危機感は覚えている。
でも、ライターは自分が人生かけて向き合ってきた仕事なので、AIにかなわないと簡単に諦めたくなくて今も足掻いている。
だからこそ、「ライターはオワコン」と軽々しく言われるのは、いい気持がしない。

AIは確かに脅威ではある。でも、言葉というのは、人の思い、人の体温によって魂が吹き込まれる。AIに書けない文章をライターが作り出すことはまだまだ可能なはずだ。

オワコンだと嘆いてる暇があったら、AIに駆逐されないためにはどうすればいいかを考えるし、一つ一つの仕事でAIには決して書けないクオリティーを目指す。

「オワコン」なんて、ネガティブな言葉で自分を落ち込ませてるわけにはいかないのだ。

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この記事を書いた人

映画、音楽、文房具をこよなく愛するフリーライター。趣味はヴァイオリン。
執筆、取材等のご依頼はお問い合わせからか、startofall@gmail.comまでご連絡ください。