6月14日(日)所属しているオーケストラの演奏会が無事終了いたしました。
ええ、今回、一番の感想は、他の団員さんが打ち上げで言ってた言葉をお借りしますが、「本番には魔物がいる」ですね。
我々は基本的に本番にいい演奏をするためにがんばってはいます。
けどね。
そこは、音楽の神様がちょっとだけ意地悪なのかもしれませんが、一番いい演奏ができるときって、必ずしも本番じゃなかったりする。
それができるのは、意外と本番少し前の練習とか、前日とかが多いです。
本番て、どんなに練習してても、どうにもどこかで緊張してるんでしょうね。
なので、練習では一回もミスしなかったところを失敗したり、普段、迷うことなく弾いていたところで「あれ、これどうやるんだっけか?」となぜか迷っちゃったり…。
だから、数年前に、ぶっちゃけ、私、あきらめてます。
本番で最上の演奏ができるとはかぎんないんだって。
そして、今回あくまで私個人の話ですが、トラブルが多かった演奏会でした。
本番数日前に体調を崩した
まず、本番の数日前に、胃腸をやってしまいました。
腹痛と高熱に襲われて、少し絶望しかけました。本番までに治らなかったらどうしようって。
幸い、熱は一日で下がって、本番までには体調も回復したので、助かったけど。
ただ、そのせいで、本番前の数日間、きちんとご飯が食べられず、少し演奏する馬力が少なかったけど。
楽譜をなくしそうになった
そして、演奏会当日。
まず、朝、会場入りする前によったコンビニに楽譜を置いてきてしまうという大ボケをやらかしました。
会場で楽屋に入ってから、あれ、楽譜がないって気がついてかなりあせった。
ほんで、あわてて、コンビニに戻りました。
会場を出るとき、すれ違った団員さんに
私「コンビニに忘れものしたんで、とってくる!」
団員さん「何か、大事なもの?」
私「楽譜!」
という、結構スリリングな会話をしつつ。
幸い、楽譜はコンビニに行ったら、きちんと保管してくれてたので、事なきをえました。
弓毛が抜けた
そして…今回、一番のトラブルは、舞台でヴァイオリンの弓の毛が何本か抜けてしまったこと。
盛り上がってるとこで、いきなり、毛がばらっとして、少しテンパった。
しかし、弾かないといけないとこが続いて、なかなか楽器下げられず、盛り上がっているところで、懸命に演奏しつつ、頭の半分は「困ったなあ、どうしよう」と考えている状態が続きました。
そう、本番だから、万全にいい演奏ができるとは、ほんとかぎんないのよねえって、今回は、つくづく実感しました。
とはいっても、いい本番だったと思います。
今回、ベートーヴェンのピアノ協奏曲「皇帝」ソリスト、ピアニストのイリーナ・メジューエワさんは、素晴らしかったです。
繊細さとダイナミックさが見事に融合した「皇帝」の演奏を舞台上で聞かせていただき、圧倒されてしまいました。
その他の「コリオラン」序曲とブラームスの交響曲3番も、最上ではなくとも、満足いく演奏ができたと自分では思ってます。
ブラームスの3番、大好きなんですよ。
大学時代、卒論書くときのBGMにしていた時から、好きでずっとやりたいと思っていたのに、これまでずっとできずにいた曲。それだけに、どの曲よりも「やりたい」と思い続けていた時間が長かった曲。
難しい曲ではありましたが、とにかく念願の曲だった。
だから、練習するのがすごく楽しかったですね。オケの練習でも一人の練習でも、弾いてていつでもこの曲好きだなあって思っていた。
演奏会が近づくにつれて、もうすぐこの曲弾けなくなるんだなあ、嫌だなあって思ってて、そして、演奏会が終わった今も、演奏したりなくて、まだまだやりたいと思ってる。
ブラ3、またどこかでやる機会があるといいなあ。
団員の皆さん、お疲れさまでした。
そして、ご来場いただきましたお客様に心より感謝を申し上げます。
弓毛が切れて少しテンパっていたワタクシの演奏も含め聴いていただき(笑)、ありがとうございました!