ごきげんよう、ライターの愛(@ai_writer)です。
5月21日、所属するオーケストラの演奏会が無事終了いたしました。
今回のプログラムは
・ウェーバー/「魔弾の射手」序曲
・シューベルト/交響曲第4番「悲劇的」
・ベートーヴェン/交響曲第4番
アンコール グノー/「ファウスト」より鏡の踊り
でした。
ええ、プロはどうだか存じ上げませんが、アマチュアのクラシック奏者にとっては、演奏するのが難しくない曲は皆無といってもよく、何をやっても難しいし、何をやっても苦労するのですが、今回はまた相当大変でした。
シューベルトとベートーヴェンは、数あるクラシックの巨匠の中でも巨匠中の巨匠みたいなお二方で、本当に細部まで徹底して作りこまれて、細部の細部まで繊細で、弾くたびにものすごく神経も体力も使いました。
冗談じゃなく、今回、前半のシューベルトだけで体力使い果たすんじゃないかと心配したし、本番終わってからの疲れもいつもよりひどくて、翌日の今日、まだまだ疲れが取れず、どうにも身体がけだるいので休ませていただきました。
我ながら、がんばったんだなあ。
幸せだったオーケストラの本番
疲れたけれど、今回、練習でも本番でも実は、とにかく幸せでした。
なぜなら、シューベルトの交響曲第4番「悲劇的」が、大好きだったから。
近年取り組んだ交響曲の中で、個人的に心がこんなにも動かされた曲はないってくらい、心がメロディにどうしようもなく惹かれました。
シューベルトは、もともと大好きな作曲家です。
「未完成」も大好きですし、あまり好きじゃない「グレート」ですら、心をたまらなく揺さぶられるフレーズがある。
今回、指揮者の先生が「ベートーヴェンはシューベルトほどのメロディメイカーではない」と練習でおっしゃったことがあったんですが、ほんと私もそう思ってて。
べーさんはもちろんすごい人ですが、心にしみる、突きささるメロディを作るっていう点では、シューベルトのほうが本当の才能の持ち主。
感性の美しさはシューベルトこそ、モーツァルトと並び称される人だと思います。
難しくて大変だったけれど、この曲を演奏して、この曲の中に自分がいて、この曲そのものに自分がなっている。それが本当に幸せでうれしくて。
本番でのシューベルトの演奏が終わるときは、もうこの曲演奏できないんだってほんと寂しくもありました。
こんなに一つの曲に愛情を抱いたのは、久しぶりで。
私はオーケストラになりたい
そして、この曲のおかげで、自分がオーケストラをどれだけ好きかってことも気がつきました。
オーケストラやってると、ときどき自分の中に変な色気とか邪なものが生まれるときがあります(笑)。
私はオーケストラの弦楽器の「じゃない方芸人」こと2ndヴァイオリン担当なので、やっぱりときおり、1stはきれいな主旋律弾けていいなってうらやましくなったり、目立たないけど2nd大変なことやってんだよ、2nd舐めるなよとか思っちゃうことがある。
でも、シューベルトの4番を弾いてたときは、そういう邪なものが一切消えてました。
2ndヴァイオリンですから、いわゆる主旋律を弾かせてもらえたのは、ほんと数えるほどでしたが、そんなことどうでもよかった。
刻みでもなんでも、とにかくこの曲そのものに自分がなれていることが、本当に幸せだったのです。
そして、気づいたんです。「私はオーケストラになりたかったんだ」と。
楽器って一人で弾いててもそれなりに楽しいです。でも、誰かと弾くともっと楽しい。
そして、たくさんの人とたくさんの楽器と一緒に弾くと、一人だけで絶対作れないすごい音楽を奏でられる。
オーケストラで演奏する曲に、オーケストラそのものになれるって、ほんと最高。
オーケストラで主旋律弾くこととか、目立つことが幸せなんじゃない。オーケストラになれることがただただ幸せ。
このすごく素敵な喜びをくれたのが、ほかならぬシューベルトの4番でした。
正直、仕事とオーケストラの両立はここ数年すごく苦しくなっていて、今回も練習のための時間を確保するのかなり大変だったのですが、なんとか本番までやってこられて本当によかった。
私は所属しているオーケストラに入団してもうだいぶたちます。
とても幸せなことに、このオーケストラでは、いつでも優しくしてくださる大好きな人たちがいます。
もちろん、オーケストラを続けていくって楽しいことばかりじゃなくて、続けていく中でいろいろあります。
でも、演奏会を終えて、打ち上げでみんなとおいしいもの食べて話をして、みんなとまたこの本番できてよかったなってほんと思いました。
ご来場いただきました皆様、どうもありがとうございます。
そして、何より一緒に演奏をできた団員のみなさん、ありがとう。
一緒にオーケストラになれて幸せでした。