松田翔太の変態っぷりがただただ愛おしい映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』

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ごきげんよう、ライターの愛(@ai_writer)です。

今回は映画レビュー。窪田正孝さん主演で現在公開中の『東京喰種 トーキョーグール【S】』です。

『東京喰種 トーキョーグール【S】』あらすじ

人を喰らう「喰種(グール)」が潜む東京で、グールに襲われ「半喰種」になってしまったカネキ(窪田正孝)。人とグールの間での葛藤を抱えながらも、グールの仲間たちの集まる喫茶店「あんていく」でバイトをしながら、トーカ(山本舞香)らとともに穏やかな日々を送っていた。

ある日、金木の前に月山習(松田翔太)という青年が現れる。月山は「厄介者」だというトーカの言葉を耳にしながらも、いつしか彼と距離を縮めていくカネキ。

だが、月山の招待で足を運んだレストランで、カネキは恐ろしい目に合う。実は、月山の正体は『美食家(グルメ)』と呼ばれる恐ろしい喰種。そして、彼の目的はほかならぬカネキを喰らうことだった―――。

松田翔太演じる月山の華のある変態っぷりがとにかく見どころ

この作品は、松田翔太さん演じる月山習の変態っぷりをただただ愛でる映画だと思います。

人を喰らうグールたちとグールを許さない人間たちの壮絶な戦いが繰り広げられた第一作に続く、実写第二作はむしろ個人対個人のドラマ。主人公・カネキと美食家のグール・月山習の出会いとそして戦いを描いています。

月山という男は、グールの中でもちょっと面倒な趣向を持つ男で、人を食すときにより美味しく味わいたい…というこだわりを徹底追求する美食家な人食い男。

グールと人間のハーフになってしまったカネキに興味を持ち、巧みな話術やエサでおびき寄せ(前作でもそうだが、カネキくんはつくづくエサにつられやすい男です)、カネキを食べたいという自分の欲望のために彼を陥れていきます。

最初は教養のあるお金持ちのお坊ちゃんらしく振舞うも、だんだんとわがままで狡猾、なおかつ自分の欲望にひたすら忠実な恐るべき本性をあらわにしていく月山。

最終的には、トーカの言葉通り、ただただ厄介で変態でそして気持ち悪い男だというのがわかります。食べたくてたまらなかかったカネキの血に対して「トレビア~ン」と恍惚の表情で喜んだときは、「こいつ、馬鹿だ‥‥」と本当呆れましたね。

ただし、その恐るべき変態っぷりの中にすごく華がありました。

おそらく、松田翔太さん、いやったらしい月山を演じることにノリノリだったんじゃないかと想像します。力いっぱい変態になりきっていましたから。

今回は、前作のような豪華キャストではない分、月山という男の行動にただただフューチャーしている感じの作品になっていて、とにかく月山=松田翔太さんの変態っぷりが愛くるしくて、彼のはじけっぷりこそが、作品の面白さになっています。

窪田正孝さんは日本一眼帯が似合う俳優さん

元来、グロいのが苦手で、ホラーも基本躊躇する私が『東京喰種』の映画シリーズを続けて見た理由はただ一つ。朝ドラ『花子とアン』以来のファンである窪田正孝さんが主演だったからです。

シャイな雰囲気とか、くしゃっとした笑顔も素敵だし、なにより誠実にきちんと役を作ってくれる信頼感がある。

特に内向的な青年を演じたら、彼は若手随一ですね。

『東京喰種』の主人公・カネキは、ある日、突然人間とグールのハーフになってしまう。

人を喰って生きるしかない。でも心は人間のままだからカネキは苦悩します。罪悪感や悲しみに襲われて自分の存在が許せなくなるときもあって、でも、自分なりにどうにかこうにか周りと共存していこうと進んでいく。

人に軽々しく言えない深い苦悩を心に秘めて生きるカネキの苦しさが窪田さんの内省的な演技から淡々でありながらもしっかり伝わってきました。

前作が作られる際、原作者の石田スイ先生がキャスティングにあたり、窪田さんを指名したとの報道もありましたが、窪田さんのカネキは本当はまり役だと思います。

そして、本作を見て何より思ったのは、窪田さんは、日本一眼帯が似合う俳優さんだということ。

眼帯を付けた悲壮感と傷ついた男がまとうセクシーさというか、いろいろなものが感じられて、とにかく眼帯がよく似合っていた!うん。

というわけで、松田翔太さんと窪田正孝さん、二人の演技のおかげで『東京喰種 トーキョーグール【S】』はグロくて怖いながらも非常に楽しめる作品でした。

映画のラストを見る限り、物語はまだ続く?という暗示があったので、『東京喰種』次回作を楽しみに待ちたいと思います。

こちらの映画見るなら、前作を見ておくと、より面白いです。ほんと。

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この記事を書いた人

映画、音楽、文房具をこよなく愛するフリーライター。趣味はヴァイオリン。
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