強いだけが正義じゃない!『ヒックとドラゴン』ヘタレ少年と龍の友情物語【movie colum】

ヒックとドラゴン (吹替版)
(2018-02-01)
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ドラゴン・スレイヤーは、勇ましい。
伝説の剣を片手に、火を吐く龍にひるむことなく立ち向かっていく。

しかし、ドラゴンとは本当に倒すべきもの? 彼らが人を襲う事情を考えたことがある?

「ヒックとドラゴン」。ポスターを見たときは、少年ヒックが勇敢にドラゴンに立ち向かう物語だとばかり思っていた。

ところが、いざ見始めてみたら、冒頭からしてなにか違う。

まず、主人公のヒックはかなりのヘタレだ。

バイキングたちの村を襲うドラゴンたち。村に住む者たちは勇ましくドラゴンに立ち向かっていくけれど、やせて軟弱なヒックはドラゴンに立ち向かう力がない。そのせいで、ちょっと村では浮いてる存在。

ヒックは他のバイキングたちよりも聡明で優しいからこそ、他の仲間ほどに単純にドラゴンに立ち向かえないのだけれど、他のみんなと同じことができない自分をヒックはもてあますばかり。だから、どこかシニカルに物事を見ていて、独特の偏屈な皮肉を言う少年になってしまっていた。

だが、そんな彼にもチャンスが訪れる。自作の機械を駆使して、ドラゴンに投石をぶつけることに成功。

しかし、尾びれを失ったそのドラゴンと対峙したヒックは、とどめを刺すことができなかった。

そして、彼が選んだ道、とった方法はドラゴンに新たな尾びれを作ってあげること。

そして、新しい尾びれを得たドラゴンとともに空を飛ぶこと。

倒すのでのではく、ともに生きることを選んだときから、ヒックとこのドラゴン・トゥースの間に相棒の絆が生まれ、そして、彼らは冒険しながら真実にたどりつきます。

なぜ、ドラゴンが村を襲うのか? 喧嘩が弱いからこそ、真っ向から猛進しなかったからこそ、ヒックだけがその真実に気がつくことができた。

そして、彼は自分たちもドラゴンたちも守るために、仲間ともに自分なりの戦いで本当の敵に立ち向かっていくのです。

思っていたのとはちょっと違う物語だったけれど、ヒックのヘタレぶりにはむしろ共感できたし、それを含めて全体に漂うシニカルなスパイスが、この映画を他とは違う面白いものにしていたように感じました。

物語が終わる頃には、ヒックと彼の相棒のドラゴン・トゥースが大好きになっていました!

強いだけが正義じゃない。弱虫のヘタレだけがたどりつける真実がある。世の中って、そういうもの。

それがわかったとき、少年は大人への階段を駆け上がっていくのだ。

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田下愛

フリーライター 得意なのはオタクコンテンツとクラシック音楽。「ねとらぼエンタ」「シネマズby松竹」など、多数のメディアで執筆中。ときおりビジネス系のお仕事もしています。 執筆、取材等のご依頼はお問い合わせからか、startofall@gmail.comまでご連絡ください。