強いだけが正義じゃない!『ヒックとドラゴン』ヘタレ少年と龍の友情物語【movie colum】

  • URLをコピーしました!
created by Rinker
¥400 (2024/11/05 21:44:52時点 Amazon調べ-詳細)

ドラゴン・スレイヤーは、勇ましい。
伝説の剣を片手に、火を吐く龍にひるむことなく立ち向かっていく。

しかし、ドラゴンとは本当に倒すべきもの? 彼らが人を襲う事情を考えたことがある?

ヘタレ少年・ヒックがドラゴンを前にして選んだ道とは?

「ヒックとドラゴン」。ポスターを見たときは、少年ヒックが勇敢にドラゴンに立ち向かう物語だとばかり思っていた。

ところが、いざ見始めてみたら、冒頭からしてなにか違う。

まず、主人公のヒックはかなりのヘタレだ。

バイキングたちの村を襲うドラゴンたち。村に住む者たちは勇ましくドラゴンに立ち向かっていくけれど、やせて軟弱なヒックはドラゴンに立ち向かう力がない。そのせいで、ちょっと村では浮いてる存在。

ヒックは他のバイキングたちよりも聡明で優しいからこそ、他の仲間ほどに単純にドラゴンに立ち向かえないのだけれど、他のみんなと同じことができない自分をヒックはもてあますばかり。だから、どこかシニカルに物事を見ていて、独特の偏屈な皮肉を言う少年になってしまっていた。

だが、そんな彼にもチャンスが訪れる。自作の機械を駆使して、ドラゴンに投石をぶつけることに成功。

しかし、尾びれを失ったそのドラゴンと対峙したヒックは、とどめを刺すことができなかった。

そして、彼が選んだ道、とった方法はドラゴンに新たな尾びれを作ってあげること。

そして、新しい尾びれを得たドラゴンとともに空を飛ぶこと。

冒険が少年を大人にする

倒すのでのではく、ともに生きることを選んだときから、ヒックとこのドラゴン・トゥースの間に相棒の絆が生まれ、そして、彼らは冒険しながら真実にたどりつきます。

なぜ、ドラゴンが村を襲うのか? 喧嘩が弱いからこそ、真っ向から猛進しなかったからこそ、ヒックだけがその真実に気がつくことができた。

そして、彼は自分たちもドラゴンたちも守るために、仲間ともに自分なりの戦いで本当の敵に立ち向かっていくのです。

思っていたのとはちょっと違う物語だったけれど、ヒックのヘタレぶりにはむしろ共感できたし、それを含めて全体に漂うシニカルなスパイスが、この映画を他とは違う面白いものにしていたように感じました。

物語が終わる頃には、ヒックと彼の相棒のドラゴン・トゥースが大好きになっていました!

強いだけが正義じゃない。弱虫のヘタレだけがたどりつける真実がある。世の中って、そういうもの。

それがわかったとき、少年は大人への階段を駆け上がっていくのだ

あわせてよみたい関連記事はこちら

あわせて読みたい
安室透と赤井秀一の対決が心を揺さぶる『名探偵コナン 純黒の悪夢』【movie colum】 ごきげんよう、ライターの愛(@ai_writer)です。 巷で大人気の安室透に興味がわいて、彼が活躍しているという劇場作『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』を視聴...

[su_box title=”『ヒックとドラゴン』を動画サービスで見る” style=”soft” box_color=”#fbb9e9″]

「ヒックとドラゴン」をU-NEXTで見る

「ヒックとドラゴン」 (吹替版)をAmazonPrimeで見る

[/su_box]

===============================

~最近のライティングのお仕事~

「逃げて逃げて行き着いた場所に今あるなという感じ」津田寛治が語る主演作『名前』への思い | シネマズ by 松竹

津田寛治さんに自分を偽り刹那的に生きる男を演じた作品の裏側、演じることや映画作りへの思いなどを語っていただきました。

山田洋次監督が現場で大爆笑!その理由とは?『妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII』徳永ゆうき インタビュー | シネマズ by 松竹

毎回平田家にうな重を届ける調子のいい鰻屋の店員を演じている演歌歌手の徳永ゆうきさんにお話を伺いました。

「リアリティの追求よりも絆に重みを」ジョン・ウー監督が語る映画『マンハント』への思い | シネマズ by 松竹

『男たちの挽歌』『レッドクリフ』など、数々の名作を世に放ってきた巨匠が『マンハント』に込めた思いを伺いました。

「映画作りも結局”嘘八百”と思えた」『嘘八百』武正晴監督インタビュー | シネマズ by 松竹

2018年1月5日公開の映画『嘘八百』。本作のメガホンをとった武正晴監督

================================

ライティングのお仕事承ります。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

映画、音楽、文房具をこよなく愛するフリーライター。趣味はヴァイオリン。
執筆、取材等のご依頼はお問い合わせからか、startofall@gmail.comまでご連絡ください。