ごきげんよう、ライターの愛(@ai_writer)です。
先だって、映画「風立ちぬ」を見てまいりましたので、感想をば。
「風立ちぬ」は、生きることをきれいに描きすぎている気がした
ええと…ごめんなさい、少し辛口です。
見ていて、話が佳境になってきたときに、どうにも私は「これって、絵空事だよなあ」と
感じてしまいました。
人が生きる、死ぬ、何かを追いかけるっていうのは、決してきれいなままで終わることはできないものだと思うのです。若輩者の私が言うのもなんですが。
なので、そこのところを、あんなきれいにしてしまうのは、どうなんだろう…っていう感想が、最後に残ってしまいました。
以前、宮崎駿監督の「もののけ姫」と庵野秀明監督の「新世紀エヴァンゲリオン」の劇場版の『DEATH (TRUE)² / Air / まごころを、君に』が同時期公開されたとき、
私は両方見に行ったんですが、「エヴァ」の中で、戦うことも生きることも拒もうとするシンジに対して、セリフ、うろおぼえで恐縮ですが、ミサトさんが、「死ぬなら、十分生きてから死になさい!」と怒るシーンがあるのですが、
私は「風立ちぬ」のラストで、「エヴァ」のそのシーンが言葉に浮かんでいました。
「エヴァ」の映画を見たのは、もうだいぶ前ですが、「生きる」というメッセージとしては、やはり、今でも、あっちのが心に響くんだな。
比較することじゃないかもしれないんですけれど、「風立ちぬ」は、苦しんで生きる生々しさみたいなところを、きれいに仕上げすぎてしまっている気が個人的にはしてしまいました。
とはいえだ。
映像、構成、役者さんの芝居。どれをとっても、
さすがのクオリティ。
昭和初期の時代を生きる人たちの映像は情緒があり、美しかった。
「トトロ」などでも感じたことですが、宮崎監督は、心に本当に美しい日本の風景を持っていらっしゃる方なのだと思います。
主役を演じた庵野秀明さん、はっきりいってド素人です。
演者の中では、一番下手でした。
しかし、庵野さんの演技には、なんともいえない味がありました。
達者な演者さんを使った場合、あのようなうまみは絶対にだすことはできない。
お芝居ど素人の人を使ってなんともいえないいい味を出す。
「トトロ」の糸井重里さんしかり、「耳をすませば」の立花隆さんしかり、こういう仕事は、宮崎監督にしかできないことです。
ただ、庵野さん、いい声をしているんですよね。実は。
以前、庵野さんがラジオでしゃべってるのきいて 、そう思ったことがあって、
なので、今回、庵野さんを起用するのいいんじゃないかなと、なんとなしに思っていて、
映画見て、やっぱりいい声だと思いました。
キャラクターの中では、西村雅彦さんが演じた黒川さんが好きでした。
ものすごく人間臭いところがよかったです。
ヒロインを演じた滝本美織ちゃんも上手でしたね。
西島英俊さんは、「八重の桜」見て目下ファンな方だけに、声を聞いただけでうれしくなった。
そして、ユーミンさんの歌う主題歌も、本当にいい曲でしたね。
あの曲を聴くだけで、ちょっと泣ける。
音楽に関しても決して手を抜くことがないところが、宮崎監督クオリティです。
さて、少し、辛口な感想ですみません。
でも、宮崎駿監督は日本のアニメ、映画においてすごい仕事をしてきた唯一無二の功労者。
宮崎監督がずっとアニメ映画界をリードし続けたからこそ、日本のアニメ映画は世界に誇れるそれになるまでに成長した。それは間違いないのです。
引退されるという発表がありましたが、今まで、日本のアニメ映画を育て続けてきた監督のお仕事に、ただただ、お疲れ様でした、ありがとうございましたと感じました。
最後に、。。
シベリアが食べたくなりました。
まえ、 近所のスーパーで売ってたんですが、まだ買えるかしらん。
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