「鎌倉殿の13人」第7話感想:頼朝(大泉洋)は一体いくつの顔を使い分けるのか

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ごきげんよう、ライターの愛(@ai_writer)です。

三谷幸喜さん脚本の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、第7話の感想になります。

前回のエピソードはこちら

「鎌倉殿の13人」第7話「敵か、あるいは」感想(※ネタバレあり)

敗戦からの巻き返しを狙い、坂東武士の実力者・上総広常を味方につけようとする頼朝。交渉のために義時と和田義盛を送ります。

しかし、この上総広常という男がなかなかの曲者。義時たちをやはり彼のところへ来ていた梶山景時とかちあわせて、力を貸したらどんないいことがあるのかいってみろという。一筋縄ではいきません。

上総広常役の佐藤浩市さんはさすが。威厳がありスケールの大きい大将格の男を堂々と演じていましたね。もし、私が脚本家だったら、この人を頼朝役にしてしまったかもしれない。それくらい武士役がきっちりはまってかっこよかったです。

義時から、頼朝は天に守られている(単に悪運がすごく強いだけだと思うけど)と聞いた上総広常。そんな彼の元に、大場景親と通じている長狭常伴が頼朝に夜襲をかけようとしている情報が入ってくる。そこで、広常は知らせに行こうとする義時を止め、頼朝が本当に守られているのか見極めようとします。

そして、頼朝は本当に悪運が強かった。

宿泊していたところで、漁師の娘・亀を見初めた頼朝。夜、彼女を部屋に呼んだら、なんと、彼女の夫・権三が乗り込んできます。夫がいたのか?と驚く頼朝に「言ってなかった?」としれっと言い返す亀さん。この温度差、間の取り方、さすが江口のりこさん。

そして、夫はまさかのカミナリ・まなぶさん!もしかしてここ茨城か?って思ったの絶対私だけじゃないでしょう。

権三から逃げようとする頼朝たち。するとそこへ長狭たちも襲ってきます。権三が来たおかげで、間一髪頼朝は寝首をかかれずにすんだわけです。本当、なんて悪運の強いことか。口をあけて騒ぎをただ見てるだけで、挙句に逃げ出すあたり、大将としてどうなのよとは思いましたけどね。うん。

頼朝が助かったのを知った上総広常。ようやく頼朝に味方することを決めます。しかし、そこでまた一筋縄ではいかない。大量の兵を率いながら、途中で日向ぼっこ。自身の価値を上げるためなのか、頼朝をじらすような行動をとります。

しかし、結局頼朝のほうが一枚上手でした。

遅れに遅れてやってきた広常に頼朝が放った言葉は「帰れ!」 遅れてくるような無礼者は必要ないと広常を一蹴してしまいます。

広常の前に千葉常胤がはせ参じたときは、腕をとって「お前を父と思うぞ」のキラーワードでたらしこんだ頼朝。そのときは「またこいつやりやがったよ…」と思ってたんですが、その後の広常への態度は全然違っていて驚きました。

とはいえ、あれは正解。もし、あそこで丁重に扱ったり持ち上げたりすれば、広常は戦力にはなるかもしれないが、一方軍の中でふんぞり返ったに違いないでしょう。その出鼻を見事にくじいて、結果みんなが見てる前で広常に服従を誓わせてしまった頼朝。見事でした。

にこやかにたらしこんだかと思えば、凄味でねじふせる。信心深いのにどこか恐ろしくもある。この頼朝はいったいいくつの顔を使い分ける気なのか…と本当目が離せなくなってきています。そして、これはおちゃらけた役からシリアスな役までしなやかに演じてしまう大泉洋さんだからこそできる役だなとも思うのです。

ただね。
大将の器であるがゆえか、もってくとこだけはしっかりもっていって、面倒くさいことは下の者任せの感もある頼朝。今回権三と長狭が来てぐじゃぐじゃになった現場の後始末をしたのは三浦義村でした。彼の目に逃げていく頼朝はどんなふうに映っていたのか?義時もそうですが、頼朝の近くで仕えている頭の働く者が貧乏くじを引かされている感があり、なんか気の毒です。

あと、気になってるのは、騒ぎのときに自分の旦那もついでに討ち取ってくれと言っていた亀さんのセリフ。三浦義隆はあの言葉通りに権三もどうにかしてしまったんだろうか。

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この記事を書いた人

映画、音楽、文房具をこよなく愛するフリーライター。趣味はヴァイオリン。
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